Google AIモードとは?仕組み・Geminiとの違い・引用されるサイトの条件をWeb担当者向けに解説
AIモードはGoogle検索の中で対話しながら調べられる回答モードです。AI OverviewsやGeminiとの違い、引用されるサイトの条件を整理します。

外部調査(Ahrefs、2025年9月の米国データ54万クエリペア)では、Google AIモードとGoogle AI Overviewsが同じURLを引用した割合は13.7%でした。同じGoogleの、同じ質問に対する2つの機能なのに、根拠として選ばれたページはほとんど重なっていません。AI Overviewsで引用されているから、AIモードでも大丈夫とは言えない状況です。
Google AIモードとは、Google検索の中で、質問を入力すると対話形式でAIが回答を作り、追加の質問にも続けて答える検索モードです。 仕様と提供状況の公式説明は、Googleヘルプ「AI モード」にあります。本記事は、一般ユーザー向けの使い方ではなく、自社サイトの運営者であるWeb担当者が知っておくべき点に絞ります。AI Overviewsとの違い、Geminiとの違い、仕組み、引用されるサイトの条件、自社が出ているかの確認方法を順に整理します。
AIモードの位置づけは「検索の中の対話型AI」
AIモードは、検索結果ページの一部に出る概要とは別に、検索の中で独立して使う対話型の回答モードです。ユーザーは、調べたいことを文章で入力し、回答を読んで、そのまま追加の質問を重ねられます。
企業側から見て重要な点は、回答に複数の引用リンクが付くことです。Ahrefsの分析では、AIモードは1クエリあたり平均約9ドメインを引用していました。AI Overviewsは約7.7ドメインです。調べものの途中で、引用されたサイトを開く機会があるため、比較や検討の段階で、自社の露出面が増える可能性があります。
AIモードでは、1回の回答で終わらず、質問を重ねるほど条件が絞られていきます。たとえば、最初は「勤怠管理ツールを比較して」と聞き、次に「従業員50人の会社ではどれが合うか」と続ける、といった使われ方です。企業サイトは、最初の広い質問だけでなく、続く絞り込みの質問にも答えられている必要があります。
提供状況は国や言語によって異なります。日本では2025年に提供が始まっています。細かな提供時期や対象の範囲は変わり得るため、最新の状況はGoogleヘルプで確認してください。
AI Overviewsとの違い
AIモードとAI Overviewsは、どちらもGoogle検索のAI機能ですが、表示の入口と使われ方が違います。そして、引用されるURLの重なりは小さいという結果が出ています。
| 比較項目 | AIモード | AI Overviews(AIによる概要) |
|---|---|---|
| 位置づけ | 検索の中で独立して使う対話型の回答モード | 検索結果ページの上部に出る概要 |
| 質問の続け方 | 同じ画面で追加の質問を重ねる | 検索結果から必要に応じて深掘りする |
| 回答の作り方 | 質問を分解して複数の検索を実行し、統合する(クエリファンアウト) | 検索結果をもとに概要を生成する |
| 1クエリあたりの引用ドメイン数 | 平均約9(Ahrefs) | 平均約7.7(Ahrefs) |
| 引用されるURLの重なり | 両者で13.7%(Ahrefs) | 両者で13.7%(Ahrefs) |
| 企業側の計測 | 質問セットの継続計測。Search Consoleの検索パフォーマンスにも含まれる | 同左 |
同じ調査では、AIモードとAI Overviewsの回答の中身は、約86%が意味的に似ていたと報告されています。回答の結論は近くても、根拠として選ばれるページは別になる、ということです。
AIモードとAI Overviewsは、別々に計測してください。片方の引用率だけを見て、Googleのすべてを把握した気になると、判断を誤ります。AI Overviewsについては、AIによる概要の解説で詳しく扱っています。
GoogleのAIモードとGeminiの違い
AIモードはGeminiのモデルを活用していますが、Google検索に組み込まれた機能であり、Geminiアプリとは入口も役割も異なります。「AIモードはGeminiですか」という問いには、「Gemini系のモデルを使う検索機能」と答えるのが正確です。
| 比較項目 | Google AIモード | Gemini(アプリ) |
|---|---|---|
| 入口 | Google検索の中 | Geminiアプリ、Webのgemini.google.com |
| 主な役割 | 検索の延長で、調べものに回答する | 汎用のAIアシスタントとして、文章作成や相談にも使う |
| 回答の土台 | Google検索の索引とGeminiのモデル | Geminiのモデルと、必要に応じたGoogle検索 |
| 引用リンクの傾向 | 1クエリあたり平均約9ドメイン(Ahrefs) | 1回答あたり平均3ソース(Semrush) |
最後の行の2つの数値は、調査の主体も集計の単位も異なります。直接比べて優劣を言うことはできません。目安として、Geminiはブランド名を本文に出す一方でリンクは少ない傾向があり、AIモードは検索由来のリンクが多い傾向がある、という程度に捉えてください。
企業にとっての実務的な意味は、計測の対象を分けることです。Geminiでは言及率を主指標に、AIモードでは言及率と引用率の両方を見ます。プラットフォームごとの引用挙動は6プラットフォーム別の引用の違いにまとめています。
AIモードの仕組み:クエリファンアウト
AIモードの仕組みの核は、1つの質問を複数の検索に分解し、結果を統合して回答する「クエリファンアウト」です。Googleは、この技術で質問をサブトピックに分解し、複数の検索を同時に実行すると説明しています。
たとえば、「中小企業向けの勤怠管理ツールを比較して」と質問されたとします。AIモードは、この1つの質問を、料金の目安、導入までの期間、従業員数別の向き不向き、主要機能の比較といった複数の検索に分けて調べ、その結果をまとめて回答を作ると考えられます。実際にどう分解されるかは公開されていませんが、公式の説明に沿えば、こうした動きになります。
この仕組みが企業サイトに意味するのは、次の3点です。
- 元の質問に対して上位表示していなくても、分解後のサブ質問に正確に答えているページが、引用元に選ばれる余地がある。
- Googleは特定の書き方を要件としていないが、サブ質問への結論が段落の先頭にあるページは、答えとして使われやすいと考えられる。
- 派生質問を網羅するほど、サイトとして参照される機会が増える。
AIモードで露出面が広がる一方、競合も同じ分解後の質問で競うことになります。自社が答えられていないサブ質問を洗い出すことが、最初の作業になります。
分解後のサブ質問を洗い出す方法
サブ質問の洗い出しは、営業と問い合わせの現場にある実際の質問から始めるのが最も確実です。AIが内部でどう分解するかは見えませんが、見込み客が実際に聞いてくる質問は、分解後の質問と重なる可能性が高くなります。
具体的には、次の情報源を使います。
- 営業担当が商談でよく受ける質問を集める(料金、導入期間、他社との違い、対象規模)。
- 問い合わせフォームやチャットに届いた質問を読み返す。
- 競合の比較記事や、比較メディアの記事の見出し構成を確認する。
- 自社サイトのFAQで、回答が1文で終わっている項目を見直す。
洗い出した質問は、1問につき1つの見出しで、冒頭に結論を置いて答えます。料金は「月額いくらから、何が含まれるか」、期間は「申し込みから利用開始まで何日か」のように、数値で答えられる形にします。条件によって答えが変わる場合は、規模別や目的別の表にまとめます。
こうして作った節は、AIモードだけでなく、AI Overviewsや他のAI検索でも引用の候補になります。サブ質問への回答を整える作業は、特定のAIに依存しない投資になります。
AIモードで引用されるサイトの条件
AIモードで引用されるための入口の条件は、通常のGoogle検索と同じです。その上で、引用の偏りと、サブ質問への回答が差を生みます。
入口の条件は、インデックスされ、スニペット付きで表示できることです。 Googleは検索セントラルで、AI機能の対象になるために、追加の要件や特別な最適化は不要で、AI専用のテキストファイルや特別なマークアップも必要ないと説明しています。AIモードでも、検索の基礎品質が前提です。ガイドはGoogle 検索セントラルのAI機能ガイドで公開されています。
引用は、少数のサイトに偏ります。 Brand UPが日本市場の8業界・50カテゴリで、15,000プロンプトを4つのAI(ChatGPT、Gemini、Google AI Overviews、Google AIモード)に実行し、約80万件の引用を分析したところ、8カテゴリでTOP1ドメインの引用率が80%を超えました。最高は93.3%です。多くは比較メディアや業界特化メディアで、公式サイトがTOP1だったのは2カテゴリでした。この調査は4つのAIを合わせた集計で、AIモード単独の数値ではありません。調査全体はAI検索の引用は8業界で特定の1サイトに集中するで公開しています。
サイト外の評価も効きます。 Ahrefsが75,000ブランドを分析した相関調査では、AIモードの可視性は、ブランド名のWeb上での言及と0.709の相関を示しました。ページ数との相関は約0.194で、ほぼ無関係でした。記事を増やすだけの施策は、AIモードの可視性を直接押し上げる手段になりにくいということです。これは相関であり、因果を示すものではありません。
条件を整理すると、次の4つになります。
- インデックスされ、スニペットが表示できる状態である。
- 主質問だけでなく、料金、期間、規模別などのサブ質問に、1節ごとに答えている。
- 公式情報(サービス概要、料金、運営会社)がサイト内で一貫している。
- 比較メディアなど第三者でも、自社が語られている。
自社実測:AIモードを含む計測で、引用率が1.8%から44.8%へ
Brand UPが自社サイトで実施したAI検索対策では、AI OverviewsとAIモードの両方を対象に計測し、1か月で引用率が1.8%から44.8%へ上昇しました。ただし数値は2つの機能の合算で、AIモード単独ではありません。
計測期間は2026年6月27日から7月27日です。Brand UPで同じ質問群を同じ条件で計測し、言及率は3.8%から52.8%、引用率は1.8%から44.8%になりました。質問の意図は「おすすめのLLMOツールは?」のような比較・選定です。
施策は、AIクローラーのアクセス条件、JavaScriptに依存する表示、構造化データの古い料金、公式情報の不一致、記事の結論や出典の不足など、サイト診断で見つかった課題の修正でした。llms.txtは設置・更新していますが、それ以外にAI専用の特別な仕掛けはありません。llms.txtを含め、各施策の単独の効果は検証していません。
限界も明記します。これは対照群を置いた実験ではなく、短期の前後比較です。各施策の単独の効果は分離できておらず、別のサイトで同じ結果になる保証もありません。プロンプト数と実行回数は非公開のため、第三者による完全な再現はできません。詳細は実測事例の記事にあります。
企業サイトがAIモードで確認すべきこと
自社がAIモードに出ているかは、少数回の手動検索ではなく、質問セットを固定した継続計測で確認します。AIの回答は実行ごとに変わるため、1回の結果では判断できないからです。
確認の手順は次のとおりです。
- 自社が選ばれたい質問を、比較、課題解決、最終判断のフェーズごとに用意する。質問の設計は最初に設定すべきプロンプトを参照する。
- AIモードを対象に、同じ質問を繰り返し計測し、言及率と引用率を出す。
- AI Overviews、ChatGPT、Geminiとは別に集計し、差を確認する。
- 言及されたときの回答内での順位を確認する。後半に埋もれていないかを見る。
Brand UPでAIモードとGeminiを計測できるのはプロプランです。ベーシックの対象はChatGPTとAI Overviewsです。
Brand UPでは、メンション率に加えて、言及された回答の中で何番目に紹介されたかを示す平均表示順位を確認できます。登場はするが後半に埋もれている、といった課題の発見に使えます。
Search Consoleでは、Googleの説明によれば、AI機能からの流入も検索パフォーマンスの合計に含まれます。ただし、AIモードだけを切り分けて見る手段は限られるため、言及・引用の実態は別の計測で補う必要があります。
よくある質問
よくある質問
次の一手
自社がAIモードに出ているかは、感覚ではなく数値で確認してください。AI OverviewsやChatGPTと引用先が大きく異なる以上、1つのAIの結果から他を推測することはできません。
出典・参考データ
- [1]AI モード(Google 検索ヘルプ)2026-10
- [2]AI による概要(Google 検索ヘルプ)2026-10
- [3]生成AIによるGoogle検索機能とウェブサイト(AI機能と自社サイト)(Google 検索セントラル)2026-10
- [4]Are AI Mode and AI Overviews Just Different Versions of the Same Answer?(2025年9月の米国データ)(Ahrefs)2025-10
- [5]Brand Visibility Correlations(75,000ブランドの相関分析)(Ahrefs)2026
- [6]2026 AI Visibility Index(Semrush)2026
- [7]AI検索の引用は8業界で「特定の1サイト」に集中する(15,000プロンプト・約80万件の分析)(Brand UP)2026-03
- [8]AI検索対策の実測事例(2026年6月27日〜7月27日の前後比較)(Brand UP)2026-07

