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2026.03.06AI検索

LLMO対策で最初に設定すべきプロンプトとは?よくある間違いと3つのアプローチ

#プロンプト設計#LLMO#GEO#AI検索対策
LLMO対策で最初に設定すべきプロンプトとは?よくある間違いと3つのアプローチ

LLMO対策を始めようとしているマーケターから、こういった声をよく聞きます。

「プロンプトを設定しようとしたけど、何を入れればいいかわからなくて止まってしまった」

LLMO対策(LLM Optimization / GEO:Generative Engine Optimization)において、プロンプトは計測の起点です。ここが決まらないと、何を改善すべきかも、効果が出ているかどうかも判断できません。

しかしプロンプトは従来のSEOキーワードとは異なり、直感では選びにくい。多くの企業が、一見もっともらしいプロンプトを設定してしまい、「測っても何も分からない」状態に陥ってしまいます。

この記事では、よくある間違いの構造を解説し、正しいプロンプト設計の3つのアプローチを紹介します。

この記事で分かること

  • LLMO対策における「プロンプト」の正しい理解
  • やってしまいがちな間違いプロンプトの見分け方
  • 最初のプロンプトを決めるための3つのアプローチ
  • まずどこから手をつけるべきかの推奨フロー

第1章:LLMO対策における「プロンプト」とは何か?

1-1. プロンプト = ユーザーがAIに投げかける質問文

LLMO対策での「プロンプト」とは、ユーザーが実際にChatGPT・Perplexity・Gemini・Google AI Overviewsなどに入力する質問文・依頼文のことです。

「おすすめの会計ソフトを教えて」 「中小企業に向いているマーケティングオートメーションは?」 「freeeとMoneyForwardのどちらが使いやすい?」

これらの問いかけに対してAIが回答を生成する際、どのブランドが引用・言及されるか——それを計測・最適化するのがLLMO対策の本質です。

1-2. SEOのキーワードとの違い

従来のSEOでは「会計ソフト 比較」「MA ツール おすすめ」のような短いキーワードを設定していました。LLMO対策のプロンプトはこれとは異なります。

SEOキーワードLLMOプロンプト
長さ数語一文〜数文
スタイル検索クエリ的会話・質問形式
意図の明確さ曖昧なことが多い文脈・意図が明確
競争の単位上位10件のURL回答内での引用2〜7件

プロンプトは「ユーザーが実際にAIに問いかける文」として設定します。キーワードのように単語を並べるだけでは機能しません。

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第2章:よくある間違い——「〇〇とは」型プロンプトの落とし穴

2-1. 「会計ツールとは」はなぜ機能しないのか

LLMO対策を始めたとき、最初に設定しがちなのが「〇〇とは」型のプロンプトです。

「会計ツールとは」 「マーケティングオートメーションとは」 「CRMとは何ですか?」

なぜこれが問題なのか。一言で言えば、このプロンプトにはブランドが登場しないからです。

「会計ツールとは」というプロンプトに対してAIが生成する回答は、概念の説明です。AIはWikipediaや業界団体の解説ページ、専門メディアの入門記事を参照して「会計ソフトとは帳簿付けを自動化するためのシステムです……」のような回答を生成します。そこにfreeeやMoneyForwardといった具体的なブランド名が出てくることは、ほぼありません。

設定して計測しても、引用率はほぼ0%。施策の打ちようがない数字が並ぶだけです。

2-2. ビジネスインパクトに繋がらない理由

問題はそれだけではありません。仮に「〇〇とは」型のクエリで自社が言及されたとしても、それはビジネスに直結しません。

BrightEdgeの調査によると、購買意図を持つコマーシャルインテントのプロンプトは、情報収集型のプロンプトと比べてAI上でのブランド言及率が4〜8倍高いとされています。

概念を学ぶフェーズで自社が出てくることよりも、「おすすめを教えて」「比較すると?」という購買検討フェーズで出てくるほうが、事業インパクトははるかに大きいのです。

2-3. 自社がプロンプトに向いているかを判断するチェック

間違ったプロンプトを設定しているかどうかを見分ける、シンプルな問いがあります。

✅ 「このプロンプトで、競合ブランド名が出てくることはあるか?」

試しに「会計ツールとは」をChatGPTに入力してみてください。おそらく概念説明が返ってきて、freeeやMoneyForwardといったブランド名は登場しないはずです。ブランドが登場しない文脈を計測しても、LLMOの観点では意味がありません。

反対に「中小企業におすすめの会計ソフトは?」と聞くと、複数のブランド名が出てきます。この差が、設定すべきプロンプトと設定すべきでないプロンプトの境界線です。

2-4. 例外:メディア・出版業では「〇〇とは」型が有効なケース

ただし一つ重要な例外があります。

会計業界専門のメディアや出版社の場合、「会計ツールとは」は有効なプロンプトになり得ます。この場合のKPIは「自社のブランドが言及されるか」ではなく、「自社が出版した解説記事のURLがAIに引用されるか(URL引用率)」です。

コンテンツビジネスを営む企業にとっては、教育型クエリこそが主戦場です。ただし、これはプロダクトやサービスを提供するブランドとは計測の目的が根本的に異なります。

自社がプロダクト・サービス企業である場合、「〇〇とは」型から始めるのは避けてください。

第3章:プロンプト設定の3つのアプローチ

間違いを理解したところで、では正しいプロンプトをどう選べばいいのか。3つのアプローチを紹介します。

アプローチ1:ブランドファースト(最初の一手として推奨)

「自社がどのプロンプトで言及されたいか」を起点に設計する方法です。LLMO対策を始めたばかりの企業にとって、最も取り組みやすいアプローチです。

ステップ1:自社のブランドポジションを言語化する

まず、以下の問いに答えてみてください。

  • 自社は誰のどんな課題を解決するのか?
  • どのカテゴリに属するか?(例:「中小企業向けの会計ソフト」)
  • 競合と比べたとき、自社が特に勝てる文脈はどこか?

この言語化が、プロンプト設計の土台になります。

ステップ2:まずPhase 1(比較検討型)のプロンプトから始める

AI検索時代のカスタマージャーニーでは、ユーザーの意思決定プロセスを3つのフェーズに分けています。

フェーズユーザー心理プロンプトの特徴
Phase 1:比較検討型「選択肢の全体像を知りたい」「おすすめは?」「定番は?」
Phase 2:課題解決型「条件に合うものを絞りたい」「〇〇に向いているのは?」
Phase 3:最終判断型「失敗しないか確認したい」「評判・口コミは?」

LLMO対策で最初に把握すべきは、Phase 1で自社が候補として研究(mention)されているかです。

ここで自社が登場していないということは、AI検索においてユーザーの視野に入れていないことを意味します。比較検討の土俵にすら上がれていない状態です。

Phase 1プロンプト例(会計ソフトの場合)
#プロンプト
1「おすすめの会計ソフトを教えて」
2「中小企業向けの会計ツールは?」
3「2026年に人気の会計ソフトランキング」
4「freeeとMoneyForwardを比べると?」
5「クラウド会計ソフトのメリットとデメリットは?」
6「会計ソフトを選ぶときのポイントは?」

まずはこのPhase 1を10〜15個設定して計測を始めましょう。「自社が何%のプロンプトで言及されているか」が見えてくれば、次の施策方針が定まります。

ステップ3:Phase 2・3を段階的に追加する

Phase 1での計測が安定してきたら、より深いフェーズへ展開します。

  • Phase 2例:「経理担当者が少ない会社向けの会計ソフト」「Salesforceと連携できる会計ツール」
  • Phase 3例:「〇〇(自社ブランド名)の評判・口コミ」「〇〇のセキュリティは安全か」
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アプローチ2:ボリュームファースト(データから優先順位を決める)

AI検索での質問ボリュームが多いプロンプトを特定し、そこで自社が引用されているかを確認する方法です。

手順

  1. LLMOツールのプロンプト提案機能で、業界内でAI検索ボリュームの高いプロンプトを確認する
  2. ボリュームが高いのに自社が引用されていないプロンプトを特定する(機会損失)
  3. 機会損失の大きいプロンプトをコンテンツ施策の優先テーマとして設定する

向いているケース

  • 「どのプロンプトから手をつければ事業インパクトが大きいか」をデータで判断したい
  • すでにある程度プロンプトが思い浮かんでいるが、優先順位を付けたい
  • コンテンツチームへの投資対象を説明責任ある形で決めたい

ブランドファーストで大枠を決めた後、ボリュームデータで優先度を調整するという組み合わせが効果的です。


アプローチ3:競合ギャップ分析(機会損失を可視化する)

競合ブランドがAIに引用されているプロンプトで、自社は引用されていない箇所を特定する方法です。

手順

  1. 主要競合ブランドを2〜3社特定する
  2. 「〔競合名〕の代替になるツールは?」「〔競合名〕か〔自社名〕、どちらがおすすめ?」のような比較プロンプトを設定する
  3. 競合が強いプロンプトを特定し、そこでの自社の引用率を計測する

なぜ重要か

比較・代替検討のクエリはコマーシャルインテントが高く、購買に最も近いフェーズです。競合の名前と並べて自社が言及されることで、ユーザーの比較リストに入ることができます。

競合が引用されている文脈で自社が出てこない場合、そこが最大の機会損失です。第三者メディアへの露出強化・比較コンテンツの整備など、施策の優先エリアを特定するためにも有効なアプローチです。


第4章:まず何から始めるか——推奨フロー

3つのアプローチを紹介しましたが、何から始めるかで迷う方も多いはずです。以下のフローを参考にしてください。

STEP 1
ブランドファーストでPhase 1プロンプトを10〜15個設定
「おすすめの〇〇は?」「〇〇を比べると?」の形式で

  ↓ 1〜2週間計測

STEP 2
引用率・言及率のデータを確認
・引用率が高いプロンプト → Phase 2・3へ展開
・引用率がゼロのプロンプト → ボリューム確認・施策検討

  ↓

STEP 3
ボリュームデータと競合ギャップで補強
・ボリューム高×自社引用低 → コンテンツ施策の優先テーマへ
・競合比較プロンプトを追加

やってはいけないこと

最後に、あらためて避けるべきパターンをまとめます。

❌ やってはいけないこと理由
「〇〇とは」型から始めるブランドが出てくる文脈でない
Phase 3(評判・口コミ)だけ設定する上流の状況が見えず、課題の特定ができない
プロンプトを100個以上一気に設定するノイズが多くなり、優先施策が絞れない
設定したまま放置するAI検索の傾向は変動するため、月1回の見直しが必要

まとめ

LLMO対策のプロンプト設計は、「自社が言及されたい文脈を定義する作業」です。

  • 「〇〇とは」型の教育クエリは、多くのブランドにとって意味のある計測にならない
  • まずはカスタマージャーニーのPhase 1(比較検討型)で「自社が候補として研究されているか」を把握する
  • ブランドファースト → ボリューム → 競合ギャップの順に広げていくのが最短ルート
  • 最初の設定数は10〜15個で十分。データが見えてきたら段階的に拡張する

プロンプトの選び方が変われば、計測の質が変わり、施策の精度が上がります。まずは「競合が出るプロンプト」から始めてみてください。

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この記事を書いた人

山本 和武

山本 和武

Brand UP プロダクトオーナー / AI検索対策コンサルタント

データサイエンティスト、機械学習・ソフトウェアエンジニアを経てAI開発やコンサルティングを手がける株式会社Wanokuniを創業。AI検索の台頭を機にBrand UPを立ち上げ、企業のAI検索最適化を支援。AI検索時代の変革期において企業の発見のされ方を再定義し、ブランドと顧客をつなぐ新たな接点の創出を目指している。

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