【80万件のデータ分析で判明したLLMOの実態】メディア業界のAI検索引用は「特定の1サイト」に集中する

結論:AIは「決まったサイト」しか引用しない
本調査の最も重要な発見を最初にお伝えします。
- 8カテゴリ(調査対象の16%)でTOP1ドメインの引用率が80%超——最高はSOICO・コエテコの93.3%
- 特定の1ページが全プロンプトの70%で引用されるカテゴリが存在する
- プロンプトフェーズを絞ると引用率100%に達するカテゴリが複数ある
- 引用を独占しているのはほぼすべて比較メディア・業界特化メディア
これはコンテンツの優劣の話ではありません。LLMの構造的な偏りが、特定のメディアへの引用を必然的に生み出しているのです。
比較メディアにとってこれは脅威ではなく、AI検索時代の新しい収益源になります。詳しくはお問い合わせください。
AI Search Cited Award 2026上期
AI Search Cited Award 2026上期
AIに最も引用されたメディア・サービスを表彰します
日本市場8業界・50カテゴリを横断し、ChatGPT・Gemini・Google AI Overviews・AI Modeの4大プラットフォームで最もAIに引用されたサービスとメディアを Brand UPが独自にスコアリングし表彰します。
各カテゴリでAIに最も引用されたサービス・メディアに授与
各カテゴリで2番目にAIに引用されたサービス・メディアに授与
各カテゴリで3番目にAIに引用されたサービス・メディアに授与
各カテゴリでAI引用上位10位以内に入ったサービス・メディアに授与
受賞されたメディア・企業様へ
受賞バッジ・詳細分析レポートの提供を行っています
Gold・Silver・Bronze・Top Cited を受賞されたメディア・サービスには、 受賞バッジデータの提供と詳細分析レポートの提供を行っています。 まずはお気軽にお問い合わせください。
Brand UPは2026年上期、日本市場8業界・50カテゴリを対象に「どのサイトがAIに最も引用されているか」を大規模調査し、AI Search Cited Awardとして表彰しました。
ChatGPT・Gemini・Google AI Overviews・Google AI Modeの4大AIプラットフォームを横断し、カテゴリごとに設計した15,000プロンプトを投げて約80万件の引用状況を分析しています。
調査概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査対象 | 日本市場 8業界・50カテゴリ |
| 調査期間 | 2025年9月〜12月 |
| 対象プラットフォーム | |
| プロンプト数 | 15,000(50カテゴリ × 300プロンプト) |
| 分析件数 | 約80万件 |
| スコアリング | AI引用スコア(%) |
対象8業界・50カテゴリ
| 業界 | カテゴリ数 | カテゴリ例 |
|---|---|---|
| SaaS・B2B | 10 | 勤怠管理、CRM・SFA、チャットボット、電子契約 等 |
| 金融・不動産 | 8 | クレジットカード、資産運用、保険比較、不動産賃貸 等 |
| EC・B2C | 8 | スキンケア、デジタル家電、ファッション 等 |
| 人材・教育 | 6 | 転職エージェント、プログラミングスクール、英会話 等 |
| 医療・美容 | 5 | 美容クリニック、ジム、歯科 等 |
| 旅行・グルメ | 4 | ホテル予約、レストラン予約 等 |
| ニュース・ポータル | 5 | IT・ガジェット、経済、ゲーム・エンタメ 等 |
| QA・コミュニティ | 4 | QAサイト、口コミ、レシピ 等 |
プロンプト設計:3プロンプトフェーズ×300プロンプト
各カテゴリのプロンプトは、ユーザーのカスタマージャーニーに沿って3つのプロンプトフェーズに分けて設計しました。
| プロンプトフェーズ | プロンプト例 | 目的 |
|---|---|---|
| 比較検討型(100問) | 「おすすめの〇〇を比較して」「人気の高い〇〇を5つ教えて」 | 選択肢を広げる |
| 課題解決型(100問) | 「安くて信頼できる〇〇を探している」「〇〇の選び方のポイントは?」 | 条件に合うものを見極める |
| 最終判断型(100問) | 「〇〇の口コミが良いサービスは?」「信頼できるサイトは?」 | 最終確認・行動に移す |
この3プロンプトフェーズに分けた設計が、後述する「プロンプトフェーズ別の引用率100%」の発見につながっています。
発見1:AIの引用元は、特定のドメインに大きく偏る
50カテゴリの調査で、8カテゴリ(調査対象の16%)においてTOP1サイトの引用率が80%を超えました。
「引用率80%」とは、そのカテゴリについてAIに質問したとき、10回中8回以上そのサイトが引用元として表示されるということです。
カテゴリ別 TOP1ドメイン引用率(80%超)
SOICO(www.soico.jp)の93.3%は、300回プロンプトを投げると280回引用されるということです。プログラミングスクールにおけるコエテコ(coeteco.jp)も同率の93.3%。
注目すべきは、これらが比較メディア・業界特化メディアに集中している点です。サービスの公式サイトがTOP1を取るケースはCRM・SFA(Mazrica)とフリーランス(ITプロパートナーズ)のみで、残り6カテゴリはすべて第三者の比較メディアです。
業界別の特徴的な傾向
実データを部門ごとに分析すると、それぞれの業界で異なるパターンが見えてきます。
SaaS・B2B(10カテゴリ):BOXILが勤怠管理・チャットボット・電子契約で50%超を独占。比較メディアが構造的に支配しており、公式サイトは補完的な役割にとどまる。ITトレンド・ASPICも全10カテゴリに出現し、カテゴリを問わず安定して引用される。
金融・不動産(8カテゴリ):SOICOが資産運用(93.3%)とローン・キャッシング(86.7%)の2カテゴリで突出。金融系は引用率のばらつきが大きく、比較アグリゲーターが強い一方、不動産(HOME'S: 50%)はポータルも健闘。
人材・教育(6カテゴリ):プログラミングスクールはコエテコが93.3%で独占。転職エージェントはアクシス(73.3%)、フリーランスはITプロパートナーズ(80%)と、カテゴリ特性に強い特化メディアが引用を独占する構造。
EC・B2C(8カテゴリ):マイベストがヘアケア(50%)・サプリ(46.7%)・シューズ(40%)など複数カテゴリで上位。商品検証メディアとして全カテゴリに横断的に出現し、AIに最も信頼されている情報源と言える。
ニュース・ポータル(5カテゴリ):マイベストが商品検証で86.7%と圧倒的。一方、経済ニュースはTokyo Calender(56.7%)、ITニュースはnote.com(60%)と、情報メディアよりキュレーション・解説系が引用されやすい傾向。
発見2:「特定の1ページ」が70%の確率で引用される
発見1はドメイン(サイト)レベルの偏りですが、さらにページレベルまで深掘りすると、偏りの実態はより鮮明になります。
たった1つのページが、カテゴリ内の全プロンプトの70%で引用されるケースが確認されました。
カテゴリ別 TOP1ページ引用率
SNS管理・分析ツールカテゴリでは、astream.acetokyo.comの「SNS分析ツールおすすめ比較」という1つの記事ページが、カテゴリに関するあらゆる質問——「おすすめを比較して」「選び方のポイントは?」「口コミが良いのは?」——の70%で引用元として表示されます。
これは「AIに質問すると、10回中7回はこの特定の記事が引用される」ということです。
なぜ特定の1ページに集中するのか
ドメインレベルでは1つのサイトが複数のページで引用されます。しかしページレベルで見ると、そのドメイン内でも引用はさらに特定のページに集中しています。
チャットボットカテゴリのBOXIL SaaSを例にとると:
- ドメイン全体の引用率:90%(全プロンプトの9割でBOXILのどこかのページが引用される)
- TOP1ページの引用率:56.7%(「チャットボットのシェア・市場規模」1ページだけで全プロンプトの半数以上をカバー)
つまり、BOXILが引用される90%のうち、その6割以上が1つの記事に集中しています。
発見3:プロンプトフェーズを絞ると、引用率100%に達するカテゴリがある
プロンプトを「比較検討」「課題解決」「最終判断」の3プロンプトフェーズに分けて分析すると、特定プロンプトフェーズにおいて引用率100%に達するケースが複数確認されました。
プロンプトフェーズ別引用率100%の事例
| カテゴリ | ドメイン | プロンプトフェーズ | 引用率 |
|---|---|---|---|
| 資産運用 | 課題解決 | 100% | |
| プログラミングスクール | 比較検討 | 100% | |
| プログラミングスクール | 最終判断 | 100% | |
| チャットボット | 課題解決 | 100% | |
| ローン・キャッシング | 比較検討 | 100% | |
| フリーランス・副業 | 最終判断 | 100% | |
| 不動産賃貸 | 比較検討 | 100% |
引用率100%とは、そのプロンプトフェーズの100プロンプトすべてでそのサイトが引用されたということです。
資産運用カテゴリにおけるSOICOの例を見ると:
「初心者におすすめの仮想通貨取引所を探している」「FX口座の手数料を比較したい」——こうした深掘りのプロンプトを100回投げると、100回すべてでSOICOが引用元として表示されます。
80%超カテゴリのプロンプトフェーズ別スコア一覧
特筆すべきは、プロンプトフェーズによって引用率が大きく変動するサイトと、全プロンプトフェーズで安定的に引用されるサイトに分かれる点です。ITプロパートナーズは最終判断で100%ですが課題解決では50%にまで下がります。一方、マイベストは80〜90%で全プロンプトフェーズ安定しています。
この偏りはなぜ起きるのか——LLMの構造的な理由
AI検索の引用がこれほど偏るのは、コンテンツの品質だけが理由ではありません。LLM(大規模言語モデル)のアーキテクチャ自体が、構造的にこの偏りを生み出しています。
事前学習:「共起パターン」の固定化
LLMは数兆トークンのWebテキストで学習されます。この学習の中で、「〇〇カテゴリ」と「特定のサイト名」が繰り返し共起するパターンが記憶されます。
たとえば「プログラミングスクール 比較」というテキストの近くに「コエテコ」が何千回も出現すれば、LLMは「プログラミングスクールの比較=コエテコ」という連想を学習します。一度この連想が固定されると、モデルが再学習されるまで変わりません。
RAG:高権威ドメインに対しての反復的な取得
AI検索はリアルタイムの検索結果(RAG)も参照します。しかし検索エンジンが返す結果も、ドメインオーソリティの高い比較メディアが上位を占める構造になっています。
事前学習の「長期記憶」とRAGの「短期記憶」の両方が同じサイトを指すことで、引用の偏りは二重に強化されます。
この構造が意味することとは?
AI検索がLLMを用いるという前提が変わらない限り、引用の偏りは構造的に発生し続けます。これは一時的なアルゴリズム変更で解消される問題ではなく、LLMの基本的な動作原理に根ざしたものです。
メディア業界への影響:ゼロクリック検索と新たな収益機会
ゼロクリック検索がメディアの広告収益を直撃する
AI検索の普及により、ユーザーはAIの回答だけで情報収集を完結させる「ゼロクリック検索」が加速しています。メディアにとってはPVの減少、すなわち広告収益の直接的な減少を意味します。
企画系サイトにとっては、ベンダーのプロダクトをサイト上に掲載する必要性自体が問われ始めています。ユーザーがAIに直接質問すれば、比較・選定が完結してしまうからです。
しかし、比較サイトにはAI検索時代の新たな訴求ポイントが生まれる
本調査で明らかになったのは、比較サイトは他のメディア種別と比べて圧倒的にAIに引用されるという事実です。
- SaaS・B2B部門では、BOXIL SaaS・ITトレンド・ASPICが50%超の引用率で全10カテゴリに出現
- プログラミングスクールでは、コエテコが93.3%の引用率
- 商品検証では、マイベストが86.7%の引用率
これは比較サイトにとって新たな訴求ポイントです。「AI検索で引用される」ことは、従来のPV・クリックとは異なる形でブランドの信頼性を担保する機能を果たしています。
比較サイトは「AIの信頼する情報源」として機能し続ける限り、掲載企業に対して新しい価値提案と収益柱を構築できる可能性があります。
SEO事業者への示唆:「とりあえずの掲載」から「結果に基づいた戦略的な掲載」へ
従来は「とりあえず第三者メディアに掲載する」というアプローチが一般的でしたが、AI検索時代には構造的にどのメディアのどのページがAIに引用されるかが明確になっているため、掲載先の選定はよりデータドリブンになります。
- カテゴリごとに引用率80%超のドメインが存在する
- さらにページレベルで引用率50%超の「定番ページ」が存在する
- プロンプトフェーズごとに引用されるサイトが異なる
こうした構造を把握した上で、特定のメディア・特定のページへの掲載を戦略的に進める動きが今後高まっていくでしょう。
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